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京都・2泊3日の目安

京都を物語で旅する

同じ盆地に、権力の持ち主が入れ替わるたびの「その時代の答え」が残っています。

千年、誰かが力を握るたびに建てられた街

京都の建物は、ばらばらの時代のものが同じ盆地に積み重なっています。貴族、武家、将軍、商人。力を持つ人が変わるたびに、その人たちなりの「良いもの」が形になりました。だから京都をまわるのは、時代ごとの価値観を並べて見ることになります。

京都の位置関係
番号は本文の順です。

それぞれの場所で、何が分かるか

1清水寺

清水寺
清水寺/Martin Falbisoner・CC BY-SA 4.0

都ができる前からある信仰の場所です。崖に柱を組んで舞台を張り出した構造は、平地に整然と作られた平安京とは考え方が違います。京都が碁盤の目になる前、人が何を頼りにこの土地へ来ていたかが分かります。

2金閣寺

金閣寺
金閣寺/Kakidai・CC BY-SA 4.0

室町幕府の三代将軍・足利義満が建てた別荘です。金箔を貼るという分かりやすい方法で力を示しました。武家が貴族を超えたことを、建物で宣言している場所です。いま建つ舎利殿は1950年に焼け、1955年に再建されたものですが、義満が何をしようとしたかは、その形にそのまま残っています。

3銀閣寺

銀閣寺
銀閣寺/Oilstreet・CC BY 2.5

同じ足利家の八代・義政が建てましたが、銀は貼られていません。豪華さで示す段階が終わり、簡素さのなかに価値を見出す美意識に変わりました。金閣と並べて見ると、その転換がはっきりします。

4二条城

二条城
二条城/ほっきー・CC0

徳川家が京都に置いた拠点です。幕府の中心は江戸なのに、なぜここに城が要ったのか。朝廷が京都にある限り、見張る場所が必要だったからです。政治の重心が東へ移ったあとの京都の立場が見えます。

5伏見稲荷大社

伏見稲荷大社
伏見稲荷大社/Saigen Jiro・CC0

鳥居は商人や企業が奉納したものです。権力者ではなく、稼ぐ人たちの信仰がこれだけの規模になりました。誰が街を支えるようになったかが、鳥居の数として残っています。

6三十三間堂

三十三間堂
三十三間堂/Akonnchiroll・CC BY-SA 4.0

後白河上皇の願いで、平清盛が造って納めた堂です。等身大の千手観音立像が1000体、中央に丈六の坐像が1体、あわせて1001体並びます。鎌倉時代の再建では慶派をはじめとする仏師の工房が分担し、短期間で一気に造りました。一つの祈りを国家の事業として物量で形にすると何が起きるかが、そのまま残っています。

7八坂神社

八坂神社
八坂神社/Bgabel・CC BY-SA 3.0

祇園の東の端に立つ神社です。疫病を鎮めるための祭りが祇園祭の始まりで、それを支えたのは町衆の財力でした。神社と商いの町が背中合わせにある配置に、京都の力の出どころが表れています。

8南禅寺

南禅寺
南禅寺/663highland・CC BY-SA 4.0

京都五山の上に置かれた別格の寺です。境内を煉瓦造りの水路橋が横切っていますが、これは明治に琵琶湖から水を引いた水道の一部です。千年の寺に近代の土木がそのまま食い込んでいる、珍しい場所です。

9平安神宮

平安神宮
平安神宮/Saigen Jiro・CC0

平安遷都1100年を記念して明治期に建てられました。つまり平安時代の建物ではなく、平安京の大内裏を縮めて再現したものです。近代の京都が「自分たちの都は何だったか」をどう見せたかったかが分かります。

10東寺

東寺
東寺/Kakidai・CC BY-SA 4.0

平安京の入口にあたる羅城門の東に置かれた、都を守るための官立の寺です。この位置に寺が要るという発想そのものが、都市を設計した人の考え方を示しています。五重塔は木造では日本一の高さです。

11嵐山

嵐山
嵐山/Takeshi Kuboki from Amagasaki, Japan・CC BY 2.0

貴族が別荘を建てた土地です。市街から離れ、川と山があることが条件でした。京都の中心が「政治の場所」なら、ここは「離れる場所」です。同じ都の中に、離れるための土地が用意されていたことが分かります。

12天龍寺

天龍寺
天龍寺/osakaosaka・CC BY-SA 3.0

足利尊氏が後醍醐天皇を弔うために建てた寺です。対立した相手を弔う寺を建てる、という当時の政治のやり方がそのまま残っています。庭は嵐山と亀山を風景に取り込んで造られていて、庭の外まで設計に入っています。

13北野天満宮

北野天満宮
北野天満宮/Tokyo-Good・CC BY-SA 4.0

菅原道真を祀ります。政争に敗れて流された人が、死後に祟りを恐れられ、やがて学問の神になりました。恐れが信仰へ変わっていく過程が、そのまま社になっています。

14京都御所

京都御所
京都御所/Saigen Jiro・CC0

明治に東京へ移るまで、天皇が住んでいた場所です。城のような防御の造りではなく、塀と門で囲っただけであることに気づきます。守られ方が武家の拠点とまったく違います。

15錦市場

錦市場
錦市場/matsuyuki・CC BY-SA 2.0

四百年続く市場です。もとは地下水が豊富に湧く場所で、冷蔵設備のない時代に魚を扱えたのはそのためでした。商いの場所が地形で決まっていたことが分かります。

まわり終えると

京都をまわり終えると、「日本で誰が力を持っていたか」の移り変わりが、建物の姿として頭に入ります。名所の羅列ではなく、一本の線として街が見えるようになります。

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